松之山温泉 凌雲閣

松之山温泉 凌雲閣は、日本秘湯を守る会会員の宿です。
昭和13年に建築された木造三階建ての本館は、国の登録有形文化財。
この古き建造物に惹かれて、訪れました。

ファーストアプローチでは、通り過ぎてしまいました。
手前にある新館が邪魔をして、本館が目に入らなかったからです。
鉄筋コンクリートで出来た新館は、それまでの期待感をすっかり損なってしまい、少々不安を覚えたほど。
が、本館に近づくにつれ、そんな気持ちもなくなりました。
桜舞い散る中、静かに佇む凌雲閣。
望んでいた風景が、そこにあったのです。

宿に一歩踏み込むと、そこは期待通りのノスタルジックな世界。
なので、お部屋へ案内される時、エレベーターが出現したのには驚きました。
トイレと洗面台は共同で、女性好みの設えとなっていました。

通された部屋は、なんと三間続き。
隣の部屋の声はつつぬけですが、そんなところも情緒があっていいです。
窓辺に近寄れば、古い窓枠の外側はサッシになっていました。
そんな風に、古いものをなるべく残しつつ、改築を重ねているのでしょう。
廊下も重厚な作りで趣があり、ついつい館内をぐるりとお散歩してみたのですが。
この廊下、まるで忍者対策のように床が鳴ります。
歩いている内に、だんだん自分がおしとやかになっていく気がしました。

館内では、途切れることなくピアノ曲が流れていました。
好き好きでしょうが、私はない方が好みです。
ここでは、静けさを味わいたい気がします。

お風呂とお食事は、新館で。
この宿の温泉は、すごく濃いと聞いていたので、わくわく胸弾ませながらお風呂に向かいました。
なんでも、「ジオプレッシャー型温泉」とかいう、日本では珍しいタイプの温泉だとか。

大浴場「鏡の湯」は、内湯が男女各1つと浴室自体は普通の作りです。
余計なものはなく、すっきりしています。
入ってすぐの正面が窓で、離れてはいるものの隣家の窓がばっちり見えます。
ということは、あちらからも見えるんじゃないかと落ち着かず、腰を屈めて中に入りました。

宿の自家源泉である温泉は、期待以上!
まず、見た目に美しいです。
緑白色に濁っていて、油っぽい独特の匂いがします。
よく見ると、黒くて細い糸のような湯の花が舞っていました。
こんな温泉は初めて。
飲泉も出来るので早速飲んでみたら、かなりしょっぱかったです。
しかも、機械油風味。
胃腸、特に便秘に効くそうですが、これをゴクゴク飲むのはキツイものがあります・・・飲みましたが。
源泉はかなり熱め。
だからなのか湯量の関係か、循環湯と混ぜて使用しているようです。
そんなわけで、完全なかけ流しではないですが、それでも十分に濃い温泉でした。
大浴場とは別に、家族風呂があるのですが、宿の方に尋ねたら、開いていれば自由に入っていいそう。
しかも、こちらは完全な源泉かけ流しとのことです。

食事は、大広間でいただきました。
次から次へと珍しい山菜料理が運ばれてきます。
少しばかり気になったのは、山菜の天ぷらと焼き魚が最初から配膳されていたこと。
山菜料理のいくつかは、出来たてを運んでくれ、料理の説明までして下さったので、尚更気になりました。
山菜は、調理に手間がかかるから仕方ないのかもしれませんが、せめて山菜の天ぷらだけでも、 揚げたてをいただきたい、なんて贅沢なことを思いました。

一夜明けて。
朝食もとっても美味しかったです。
なめこと豆腐の味噌汁など、懐かしい故郷の味がしました。
食後にコーヒーのサービスがあるのも嬉しかったです。

新館は、外から見ると味気なかったのですが、中にいれば思ったより気になりませんでした。
ぼんやり窓から山々を眺めていただく朝のコーヒーは最高で、つい長居してしまいました。

振り返ってみると。
女将さんの印象もよく、とてもいいお宿だったと思います。
ただ、雰囲気作り、見せ方の方向性が今ひとつ定まっていないようにも感じられました。
好みもあるでしょうが、私は本館の存在を生かした風情ある空間の追求を望みたいです。

(2003年4月)

松之山温泉 凌雲閣

住所 新潟県東頸城郡松之山町天水越
宿泊 1泊2食:13,650円〜(*宿泊当時は10,650円)
日帰り
泉質 含ホウ酸塩化土類食塩泉
泉温/湧出量 98℃
PH他
宿泊情報
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