小谷温泉 山田旅館

小谷温泉は、北に雨飾山、西に北アルプスを望む、標高850mの山峡にあります。
武田信玄の隠し湯として愛された秘湯なのだそうです。
江戸期に建築された本館は、国の登録有形文化財。 この建物に惹かれて訪れました。

期待は裏切られませんでした。
まずは外観。庶民的な空気を纏いつつ、長い年月使い込まれた重みのある存在感です。
中に入ります。
鄙びた雰囲気が素敵です。
古い建物ですが、お手入れが行き届いていて、廊下は艶々と光沢し、窓ガラスまでもぴかぴかに磨かれていました。
本館のお二階の一室に案内されました。
トイレと洗面台は共同。 部屋の戸は障子で、施錠は出来ません。
隣どころか、上階下階問わず声が筒抜けかも。身じろぎするだけで、床がみしりと音を立てそう。
プライバシーもなにもあったものじゃないのですが、そこにまた風情を感じました。
人声までもが懐かしくて、どこか肌になじむ空気感です。

少しばかり残念に思ったこともあります。
歴史の重みを感じさせる本館の隣に、新築された別館が並んでいるのですが、 なにかこう、空気にそぐわない気がしました。 新館へふと目を転じると、折角の周囲の雰囲気が損なわれる気がして。
別館の客室は、近代的に設備が整えられているそうです。
そういったニーズがあるということなのでしょうね。

お風呂は、内湯のみ。
別館には露天つきの新しいお風呂があるそうですが、この日、そちらはお休みでした。
でもまあ、やはりここに来たなら、本館内湯を堪能すべきと思います。
その本館のお風呂ですが、客室へ繋がる廊下からもう雰囲気満点。
近づくほどに楽しくなってきます。扉もレトロで、開く時はわくわくしました。
が。
開けたら、すぐに脱衣所。目隠しも何もありません。当然外から丸見え。
これには参りました。ふいに現実が戻ってきて、脱衣所ではちっとも気を抜けませんでした。
リラックスしようとやってきた温泉で、気を抜けないのは切ないです。
何か目隠しになるものをお願いしたいところです。

そそくさと浴室に入って、初めに目に飛び込んできたのは打たせ湯。
宿の裏手から自噴する源泉が、勢いよくそのまま流れ落ちているのです。 豪快な源泉かけ流しの湯です。
はやる気持ちで体を洗って湯船へ。
素晴らしいです!
深みがあって、肌触りのいいお湯。
正直、浴室内は古びていて、お世辞にも綺麗とは言えないのですが、そんなことはどうでもよくなります。
設備としては、石鹸、シャンプーは用意されており、脱衣所にはドライヤーもひとつありました。
カランはありますが、水しか出ません。 温泉を通すと、配管が保たないのだそうです。
湯は熱め。ほんの少し濁りがあって、炭酸と鉄の味がしました。

食事は、時間が決められています。
夕食は、17:30と少し早め。朝食は、7:30で、館内に放送が入ります。 どちらも食堂でいただきます。
夕食は、宿代からは考えられないボリュームでした。
山の幸盛り沢山。山菜の美味しいこと!
ただ、焼き魚と天ぷらは、すっかり冷めて固くなっていました。残念。
折角のうどとふきのとうも、これでは台無しです・・・。
そちらにがっかりした分、デザートの草餅はびっくりするくらい美味しかったです。
中の餡も甘すぎず、よもぎたっぷりで。
既にお腹いっぱいだったにも関わらず、いくらでも食べられそうな気さえしました。

朝ご飯は、ちょっぴり寂しい内容でした。夕食のしわ寄せ?
なんて。
宿泊料金を考えてみたら、これが普通かも。
うん、晩御飯の一部を朝食に回せたらいいのにと思いました。

寝る前に熱い湯にじっくり浸かったせいか、夜は頭がすっきりと冴え渡り、 なかなか寝付けませんでした。
ようやくうとうとしだした時に、どこかの部屋から、
「ひゃおう!」
雄叫びが聞こえました。
寝言にしても、あんまりです・・・。

(2003年4月)

小谷温泉 大湯元山田旅館

住所 長野県北安曇郡小谷村中土小谷温泉
宿泊 1泊2食:9390円〜
日帰り 500円
泉質 ナトリウム炭酸水素塩泉(重曹泉)
泉温/湧出量 47℃ 86.6g/分
PH他 PH 6.8
詳細  

わんこの満足度

温泉 料理 料金 設備 建物 雰囲気 清潔感 スタッフ
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わんこの隠れ家温泉でまったり