下部温泉 本湯大市館

創業明治8年。
大市館は、古きよき時代の雰囲気を漂わせた気配りの宿です。
お出迎えして下さったお若い従業員も、元は一介のお客様だったそう。
それがすっかりこの宿の姿勢に惚れ込み、雇っていただくことにしたのだとか。
それだけの魅力が、ここにはあるのでしょう。

暖簾を潜ってすぐ、まっさらな綿のスリッパを渡されました。
「目印程度で結構ですから、お名前をお書きください」
なんと、これが自分専用のスリッパ。
以前、お客さまから、『自分専用のスリッパが欲しい』との要望があったそうです。
確かに。 大浴場へ行った際など、 上がった時に、自分の履いていたスリッパがわからなくなってしまうことってよくあります。
ありがたいけれど、使い捨てはちょっと勿体ないなと思っていたら、その気持ちが伝わったのか、
「お使いのスリッパは、よろしければお持ち帰りいただいております」
ですって。
車内での足休め用に、ありがたくいただくことにしました。

宿の中は、重厚ある外観に負けじと趣向が凝らされていて、 雰囲気作りが徹底されている印象。
どこかレトロで、居心地のいい空間でした。 写真を撮らなかったことが悔やまれます。

お宿

名物の洞窟風呂では石鹸類を使えないので、 まずは内風呂に向かいました。
沸かし湯ですが、窓からお庭も眺められたりと気持ちよく入れました。
こちらは24時間入浴可能です。
振り返ってみると、ここが一番落ち着いて体を伸ばせたかもしれません。
また、備え付けのシャンプー類が全て自然の負担を減らす品選びとなっており、好印象でした。

お宿

さて、お風呂の後はお食事。 夕食は、お食事処でいただきます。
お料理は、一品一品運ばれてきました。
この日のメニューは、巨峰の食前酒に枝豆豆腐、 無花果の胡桃掛けキャビアのせ、鱧のお寿司、鮎の塩焼き、 冬瓜の煮物、牛蒡と鰻のぼく飯などなど。
お味も盛り付けも上品で綺麗。量的にも女性向きかも?
そのかわり、ぼく飯はおかわり自由。
私的には巨峰のお酒をおかわりしたかったです(←美味!)

お宿 お宿

家族風呂を覗いてみました。
檜風呂と石風呂の露天です。どちらも空いていれば自由に入っていいそうです。
ただ、お湯は温泉ではありません。
また、柵の向こうは隣の建物のコンクリの壁なので、眺望はイマイチ。
入ってみたのですが、なにかこう落ち着きませんでした。

お宿

この宿の売りである源泉洞窟風呂は、剥き出しの岩壁にランプの灯りが揺れる雰囲気ある浴場です。
入浴時間は、6時から22時まで。
この写真では、何がなんだかわかりませんが・・・。
暗いので、私のカメラではこれが精一杯でした。
手前の左手にあるのが源泉浴槽。
透明度の高い湯、というより水が、底床の隙間からぽこりぽこりと湧いています。
そう、温度は結構低め。
歯を食いしばって肩まで浸かっていると、 その内、体にビーズみたいな気泡がついてきます。
常連さんによると、これが払っても払ってもすぐにいっぱいつくようになった頃が 上がり時なんだとか。
それを聞いた他のお客さんと二人、がまんくらべが始まりました。

左奥の一段高いところにあるのが沸かし湯の湯船。
源泉浴槽と交互に入るといいらしいです。
でも、そう熱い湯でもないので、 こちらで温もった後に、より冷たく感じる源泉に入るのには根性がいります。
実際やってみたら、源泉に片足を入れた時点で、二の腕に鳥肌が立ちました。
このお風呂に関して言えば、冬は相当厳しそうです。

夜中、再び入りにきたら、先客のおばさまに、
「ああ、よく来てくれた〜」
と熱烈歓迎されました。
おばさまは、剥き出しの岩肌を指差し、
「あそことか、あの辺りとか、人の顔に見えてきて怖かったの〜」
言うだけ言って、
「じゃお先に」
さらりと上がってしまわれました。
お、おばさま、残された私はどうすれば?
怖がりな私は、その後そそくさとお風呂を後にすることになりました。

お宿

朝食もお食事処で。
ごはんか源泉で炊いたおかゆのどちらかをチョイス出来ます。
おかゆをいただきました。
だしの効いたおかゆは、おかわり自由。 これは嬉しいです。
あと、写真はありませんが、ゆば豆腐が濃厚なお味で美味しかったです。

こちらは、本当にお客さんのニーズに敏感で、帰りには宿泊者用のアンケート用紙が手渡されます。
それならと、泊まったお部屋がかび臭くて少々残念だった旨を書いておいたところ、 後日、自宅にお葉書が届きました。
そこには、「リニューアルオープン」の文字が。
全ての客室に洗面トイレを設置し、快適な空間を提供して下さるそうです。
ただその代わり、お値段は全体的に上がってしまったようで。
う〜ん、う〜ん・・・。

そんなわけで。
下の満足度は、私が泊まった時点のものです。
因みに、宿泊料金は、トイレなしのお部屋で11700円(平日)でした。
リニューアル後は、15000円からのサービスとなったそうです。
清潔感はおそらく☆印になっていることと思われます。
逆に料金は・・・どうでしょう。
我が家の予算を越えてしまったのでなんとも言えません。  

(2004年8月)

下部温泉 本湯大市館

住所 山梨県西八代郡下部町下部
宿泊 閉業されました
日帰り
泉質 アルカリ性単純泉(低張性アルカリ性低温泉)
泉温/湧出量 28.8℃ 0.24g/分(自然湧出)
PH他 PH8.61
宿泊情報
(外部リンク)
現在は経営者が変わり、「くつろぎの宿 裕貴屋」として営業されているそうです。
【じゃらん】

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